抄録
松江市立病院の院内感染対策チームは院内感染対策委員会の実践グループとして主にMRSA感染症の減少を目指しており,サーベランス活動の充実を図るためにMRSA感染発症者について臨床的に検討した.MRSAが検出され保菌ではなく発症と主治医が診断し,抗MRSA剤が投与されたMRSA発症25例を対象にした.月別発症者数は4月6例,5~7月各5例,8~9月各2例であった.80歳以上の高齢者が全体の約2/3を占めていた.全例において医療処置を受け,多くが2種類以上の医療行為を受けていた.MRSA感染症の治療はバンコマイシン(VCM)注射17例,アルベカシン注射1例,VCM内服7例であり,注射用VCMは基準外使用と思われる例が8症例に見られた.予後は死亡8例,6ヵ月以上の長期入院2例,退院15例であった