抄録
容器包装リサイクル法の完全施行により,PETボトル以外のプラスチック製容器包装の分別収集,再商品化が開始されてから10年余りが経過した。2006 (平成18) 年の法改正時の懸案課題をうけて行われてきた再商品化手法の評価,容器包装以外のプラスチックのリサイクル,リサイクルフローの透明化などの一連の検討の経緯をまとめるとともに,プラスチックの3Rに関する主な論点を整理した。この整理を踏まえ,リサイクル手法に応じた分別・選別・識別が必要であること,家庭系の廃プラスチックを用途と性状の2つの軸から整理した場合,現行制度によるプラスチック製容器包装に該当するか否かという視点とは異なる分別の切り口がありうることを示した。また,この考え方をもとに,家庭系廃プラスチックの分別,再商品化に関する4種類の試行的シナリオを各々の利点および問題点とともに例示した。