抄録
2010年6月22日,本邦初のフェムト秒レーザー,イントラレースFSレーザー(FS60)の承認が下りる.FS60は米国のイントラレース社(現在,Abbott Medical Optics, Inc.)が開発したLASIKフラップの作製と角膜移植の移植片を作製する医療機器であり,米国では2006年にFDAの認可を取得し上市された.その特徴は,光切断(Photodisruption)の原理により,近赤外線レーザーが角膜実質の目的とする場所に数ミクロンの空隙を連続的に作るというものである.
新しい医療機器にもかかわらず,海外臨床試験による承認申請は行わず,臨床評価の概念を導入して医薬品医療機器総合機構(PMDA)の臨床評価相談を受け,新たに日本で治験を実施することなく承認を取得した.
2011年2月8日,後継機種アドバンストフェムトセカンドレーザー(iFS)の承認も取得する.また,7月にはFS60からiFSへのアップグレードを医療現場で行うことも認められた.フェムト秒レーザーによる角膜移植は,従来法に比べ格段に強い創が期待できるが,機器の購入費,精度維持に不可欠なメンテナンス費用などのハードルが高く,それらに配慮した適切な診療報酬点数の設定が必要である.
なお,理由はともあれFS60はデバイスラグの定義に該当してしまう.現在,デバイスラグは解決すべき喫緊の課題と言われている.そこで,デバイスラグの実態と審査の迅速化について,最近の調査結果をもとに分析を試みた.