廃棄物資源循環学会誌
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特集:循環型社会,低炭素化に応える都市ごみ焼却処理―焼却研究部会特集―
都市ごみ焼却・発電施設運営事業におけるリスク分担
西野 雅明近藤 守
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2010 年 21 巻 6 号 p. 387-394

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抄録
DBO (Design Build Operation) による廃棄物処理施設整備事業が増加している。本報告では,2008年から2009年にかけて発注された主要な案件における官民のリスク分担について調査するとともに,ごみ量やごみ質の変動などが運営事業に及ぼす影響について具体の試算を行った。
リスク分担調査において,個別のDBO案件の契約条件ではすべての案件でごみ収集責任は官が担い,発電による売電収入は民間事業者とされていた。また,ごみ量やごみ質の変動リスクについては計画の範囲内では基本的に民間事業者のリスクとされていたが,詳細条件について規定されているケースは少なかった。
一方,ごみ量やごみ質の変動が運営事業に及ぼす影響を試算した結果から,ごみ質 (発熱量) が10%増加した場合には運営事業費はほとんど変化しないが,10%減少した場合は約8%悪化し,ごみ量が15%減少した場合には運転パターンにより7~12%悪化することがわかった。また,これらの悪化の主要因は,売電収入の減少および助燃用燃料費の増大によるものであった。
リスク分担の現況および試算結果を踏まえ,持続的な運営事業実現に向けたいくつかの提案を示した。
安定した運営事業実現のためには,具体の運営事業において官民協力して想定されるリスクの程度を把握し,解決策を見出していかねばならない。
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© 2010 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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