抄録
市場規模2,000億円足らずの自転車産業が,私たちにとって利便性の高い交通手段である自転車を送り出している。その一方で,利便性が高い結果として駅前等の放置自転車問題を産み出し,多くの自治体は対策部局を設置し,見回りや撤去といった対策を強いられている。放置自転車の行方は,産廃として処理,鉄屑として払い下げ,さらに専門業者への払い下げ等,いくつかのルートがあるが,多くは国内で鉄源として再資源化が行われている。また,廃棄自転車の7割強は,自治体の清掃部局が粗大ごみとして処理を行っている。しかし,自転車の再資源化を考える上で重要な点は,かさばるために運搬面で困難が生じることである。易解体性と製品安全性の間で,簡便な解体方法が求められている。最近は電動アシスト車が原付の販売台数を追い越した事実があり,これを皮切りに抜本的な自転車の見直し,再定義によって,産業としての新しい局面が期待される。