抄録
本稿では,使用済小型家電製品のフローを概観し,現状の問題点を明らかにした上で,その解決法について回収・収集・運搬の側面から検討を行った。現状のフローを見たとき,大きな問題点は 3 つある。それは,退蔵へ向かう量,リサイクルされずに最終処分される量,そして海外向けの見えないフローの 3 つのフローが大きいことである。これに対応するべく,効率的なリサイクルシステムを構築しなければならないが,そのフローの初期段階を担う回収・収集・運搬の効率化は必要不可欠である。しかしながら,地域によって効率的な収集システムのあり方が異なることは,そのシミュレーションを通して明らかである。また対象となりうる製品の変化も非常に早い。よって,すべての関係者の協力の下,品目の指定から,こうした物流システムを含め,さまざまな変化に柔軟に対応可能な効率的なシステムの構築が望まれることが明らかになった。