廃棄物資源循環学会誌
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特集 小型家電と金属資源リサイクル
小型家電リサイクル法の意義と法的課題
大塚 直
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2012 年 23 巻 4 号 p. 319-326

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抄録
小型家電リサイクル法に基づく制度の意義は,第 1 に,環境制約・環境負荷の低減のみでなく,資源の有効利用・確保を目的とするものであり,従来の循環に関わる法体系の中で新たな目的を追加したことにある。第 2 に,本制度は自主性を尊重した促進法を目指していることである。第 2 点から,本法案に基づく制度が成功するかは市町村,認定事業者,小売業者がどう活動するかにかかってくる。そのため,①認定事業者が採算がとれなくなることや市町村に過度の負担となることができるだけないよう,②仮に市況の変化によって認定事業者の採算がとれなくなった場合にも一定期間は制度を継続できるようにする必要がある。また,第 2 点のように,促進型の制度であっても特定の者に費用負担義務を課する場合と同程度の効果が得られるのか,仮に効果が得られにくかったとした場合その程度の効果で十分といえるかは,5 年後の見直しの時期に判断されるべきであろう。
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© 2012 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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