抄録
東日本大震災から 1 年 7 箇月が経過した被災地では,各地で震災廃棄物の処理が進められている。都市ごみ焼却プラントメーカである当社は,現地の被災状況も未だ明らかになっていない震災発生直後から仮設焼却炉による処理計画に着手した。処理計画や実際の処理を進める中で明らかになったことは,津波の影響により複雑化した震災廃棄物を適正に処理するには,焼却処理と同等もしくはそれ以上に破砕・選別等の前処理のプロセスが重要であるということである。また,逼迫する埋立処分場の現状に鑑み,リサイクルの最大化が求められたこともこれまでの災害廃棄物処理とは一線を画すことになっている。本稿では,宮城東部ブロックを例に,震災廃棄物の焼却処理における課題と対策,現在の稼動状況,さらには現在計画中の焼却灰の再生処理について報告する。