抄録
岩手県沿岸の震災木くずのうち,燃料やパーティクルボード (PB) の原料にリサイクルしやすい 「柱材・角材」 は約 24 万 ton 発生した。この 24 万 ton のうち 2012 年 8 月末までに処理できたのは約 3 万 ton である。セメント焼成燃料,ボイラー燃料,そしてボード原料がその内訳であり,3 万 ton の約 1/5 が“復興ボード”へとマテリアルリサイクルされた。本稿では,岩手県の震災木くずのリサイクル事例 (PB 原料および燃料利用) として,震災直後から始めた岩手大学と岩手県立大学を中心とする“復興ボード”の生産・活用の支援の経緯と体制,“復興ボード”の生産状況および活用状況を紹介するとともに,今後の本格的な活用に向けた展望を述べる。