廃棄物資源循環学会誌
Online ISSN : 2187-4808
Print ISSN : 1883-5864
ISSN-L : 1883-5864
特集:バイオマス系廃棄物研究部会 10 周年記念企画 持続可能なバイオマス系廃棄物利用
市民・NPOからみたバイオマス系廃棄物利用の課題と方向性
泊 みゆき
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 24 巻 1 号 p. 19-23

詳細
抄録
日本で利用されている,あるいは今後利用可能と考えられているバイオマスのほとんどは,廃棄物系バイオマスである。廃棄物系バイオマスは,コスト面と同時に,生産にかかる環境負荷が計上されないため,ライフサイクルアセスメント (LCA) 上有利である。ただし,近年国際的に議論されているバイオマスの持続可能性指標のうち,加工や運搬に過剰に環境負荷がかからないことや,熱などエネルギー効率の高い利用 (経済性にも優れる) の検討など,生産性や付加価値化についても考慮することも重要である。
 経済性,住民の理解,関連規制の整理と整備などさまざまな課題はあるが,廃食油や生ごみなどの廃棄物系バイオマス利用は,市民にとって身近で具体的な持続可能な地域社会づくり,循環型社会形成の恰好のツールとなりうるものである。留意点に配慮しつつ,そういった課題に注意しながら今後も推進していくことが肝要である。
著者関連情報
© 2013 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
前の記事 次の記事
feedback
Top