抄録
本稿では,地域農業と融合したバイオマス利用システムの構築を目指した国際共同研究の取り組みを紹介する。最終的には東南アジアへの展開を念頭に置きつつ,ベトナム南部の農村を主な研究対象地域として,稲作副産物や家畜排泄物を活用する地産地消型の持続可能なシステムを設計し,実証規模でその有効性を明示することを目的として研究を進めている。地域の状況に応じた合理的なバイオマス利活用のモデルシナリオ (バイオマスタウン) を検討するとともに,そのようなベトナム型バイオマスタウンを具現化するための小規模バイオマスリファイナリープロセス,および周辺要素技術を確立してゆくため,工学,環境科学,生物学など分野横断の体制で研究を実施している。