廃棄物資源循環学会誌
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特集:廃棄物処理施設の環境排出量 (PRTR) に関連する話題
PRTR 制度の現状と課題について
水谷 好洋
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2013 年 24 巻 2 号 p. 117-122

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抄録
PRTR 制度は,人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質が,どこから,どれだけ排出されているかを知るとともに,化学物質の排出量や化学物質による環境リスクを削減するための制度である。2011 年度は,全国 36,638 事業所より化学物質の排出量・移動量の届出があり,排出量約 174 千 ton,移動量約 225 千 ton,総排出量・移動量が約 399 千 ton であった。事業所数は前年度と比べて減少しているものの,総届出排出量・移動量および継続物質の総排出量・移動量ともに前年度に比べて若干増加した。しかしながら,制度設立以降,継続物質の排出量・移動量はほぼ減少傾向にあり,化学物質による環境リスクの低減に一定の効果があったと考えられる。
今後は,廃棄物処理施設等からの届出外排出量推計方法の確立,化学物質の代替のあり方,消費者,廃棄物処理業者への情報伝達などの課題に取り組むことが必要と考えられる。
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© 2013 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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