2012 年 5 月に利根川水系において発生したホルムアルデヒドによる水道の取水障害は,産業廃棄物に含まれていた原因物質のヘキサメチレンテトラミンが,産業廃棄物処理業者での処理により十分処理されないまま公共用水域に排出され,浄水場での塩素処理によりホルムアルデヒドを生成したものと推定されている。
環境省では,2012 年 6 月から 8 月にかけて 「利根川水系における取水障害に関する今後の措置に係る検討会」 を設置して検討を行い,8 月に 「中間取りまとめ」 を行った。この 「中間取りまとめ」 を受けてヘキサメチレンテトラミンを 「水質汚濁防止法」 の指定物質に追加するとともに,ヘキサメチレンテトラミンを含む産業廃棄物の処理委託等に係る留意事項について都道府県等に通知した。
今後も,ヘキサメチレンテトラミン以外の物質も含めて,公共用水域に排出される排出水の管理,産業廃棄物の適正な処理等について検討を進めていく予定としている。
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