東日本大震災という未曾有の難局にわが国が直面してから 2 年以上が経過したが,この間に,震災の復旧・復興に関する数多くの議論がなされ,さまざまな技術が開発された。
しかしながら,災害廃棄物が一過性とはいえ膨大な量であり,可能な限り迅速に,しかも限られた期間内に処理する必要があること,また,平時の廃棄物とは素性が大きく異なるため,これまで培ってきた廃棄物の有効利用技術をそのまま適用することが困難である点が多いことなど,災害廃棄物を処理・有効活用するための新たな課題も露呈しつつある。
本文では,今般の震災において進められてきた災害廃棄物の処理と有効利用の実態を踏まえ,将来においてわが国が大規模な自然災害に見舞われた際に,どのような災害廃棄物処理計画をすべきか,という点について考察した。