廃棄物焼却発電は他の再生可能エネルギーと比べて供給の安定性が高く,電力需要地に直結した分散型電源という特長をもち,地球温暖化問題に対して有効な手段と期待されている。このような中,2010 年以降,日本の廃棄物焼却プラントメーカーの欧州企業を買収する動きが出はじめ,この分野でも世界規模で技術の再編が進みつつある。
欧州の高効率発電技術には,低空気比燃焼,蒸気条件の高温高圧化,水冷復水器の採用,無触媒脱硝の採用等があげられ,技術項目は日本と大きな違いはみられない。しかし,欧州では廃棄物処理事業を商業ベースに乗せることが重要であるため,たとえば 4MPa × 400°C を超える蒸気条件を採用している施設や,施設外へ電力供給とともに熱供給も行っている施設が数多く存在し,積極的に廃棄物からのエネルギー回収・供給に取り組んでいる。