廃棄物資源循環学会誌
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26 巻 , 2 号
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巻頭言
特集:廃棄物の熱処理とエネルギー回収を取り巻く動向について
  • 元部 弥, 佐野 正樹
    2015 年 26 巻 2 号 p. 97-104
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    廃棄物発電を含めたエネルギー回収は,循環型社会形成推進基本法 (平成 12 年法律第 110 号) に基づき,廃棄物の発生抑制,再使用,再生利用に優先して取り組んだ上で,それでも燃やさざるを得ない廃棄物について,熱回収に取り組むことが適当とされている。全国のごみ総排出量は減少しており,ごみ焼却施設数は減少傾向にある一方で,余熱を利用する施設の割合やごみ発電を行う施設数は増加傾向にある。また,東日本大震災以降は,生活環境の保全および公衆衛生の向上を図ることを前提として,災害時も含めた地域のエネルギーセンターとしての廃棄物処理施設の重要性が再認識されている一方で,ごみ焼却施設の老朽化や電力システム改革等に適切に対応していく必要もある。
     環境省では,これらの廃棄物エネルギー回収を巡る動向を踏まえ,循環型社会形成推進交付金やエネルギー対策特別会計等により,廃棄物発電を含めた廃棄物エネルギー回収の支援策を講じている。
  • 横山 唯史, 高岡 昌輝
    2015 年 26 巻 2 号 p. 105-113
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    高効率ごみ発電施設の積極的な拡充支援を目的として,2009 年度より「循環型社会形成推進交付金」の交付率を ½ に割り増す制度 (旧交付金制度) が 5 年間の時限付きで施行され 2013 年度をもって終了した。本稿では本制度により発電効率向上手段として推奨された各技術的要素等が,実際にどの程度採用され発電効率向上に寄与したかについて検証を行った。本制度施行により低空気比燃焼,高温高圧ボイラ,抽気復水タービン等の採用施設が増加し,その一方で排水クローズドシステムの廃止等,立地やインフラ整備状況により必ずしも広く採用に至らなかった技術的要素があることがわかった。発電効率は全体平均で 14.1% から18.5% へと向上し,とりわけこれまで発電が重視されてこなかった小規模施設においてその変化は顕著であった。循環型社会や低炭素社会の実現にごみ発電施設がより一層貢献してゆくため,新しい交付金制度のもと今後もさらなる発電効率向上に取り組むことが求められる。
  • 宇野 晋
    2015 年 26 巻 2 号 p. 114-119
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    廃棄物発電については,全施設平均発電効率は約 11.9% と低いものの,今後5年間の竣工予定施設の平均発電効率は 20% 以上であり,確実に高効率化が進んでいる。また,焼却施設とメタンガス化施設のコンバインド 施設や 100~200 ton/日の小規模の高効率発電施設の竣工が予定されているなど,廃棄物処理を取り巻く状況は着実に変化している。工業会にて関与した 2014 (平成 26) 年度からスタートしたエネルギー回収型廃棄物処理施設整備マニュアルの内容を一部紹介するとともに,さらなる効率の向上技術として EGR (排ガス再循環)+SNCR (無触媒脱硝) や廃熱ボイラの高温高圧化,脱硝触媒の現地再生,飛灰循環,膜処理による排水リサイクルシステム等を紹介する。
  • 古林 通孝, 辻 勝久, 田熊 昌夫, 山田 明弘, 栗田 雅也, 西野 雅明
    2015 年 26 巻 2 号 p. 120-129
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    廃棄物焼却発電は他の再生可能エネルギーと比べて供給の安定性が高く,電力需要地に直結した分散型電源という特長をもち,地球温暖化問題に対して有効な手段と期待されている。このような中,2010 年以降,日本の廃棄物焼却プラントメーカーの欧州企業を買収する動きが出はじめ,この分野でも世界規模で技術の再編が進みつつある。
     欧州の高効率発電技術には,低空気比燃焼,蒸気条件の高温高圧化,水冷復水器の採用,無触媒脱硝の採用等があげられ,技術項目は日本と大きな違いはみられない。しかし,欧州では廃棄物処理事業を商業ベースに乗せることが重要であるため,たとえば 4MPa × 400°C を超える蒸気条件を採用している施設や,施設外へ電力供給とともに熱供給も行っている施設が数多く存在し,積極的に廃棄物からのエネルギー回収・供給に取り組んでいる。
  • 谷垣 信宏, 坂田 和昭
    2015 年 26 巻 2 号 p. 130-135
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    本稿では,ガス化技術による高効率発電に関する国内外,特に欧州における各社の取り組みについて概説した。欧州では,近年ガス化技術は,廃棄物およびバイオマスからの燃料製造技術として,また,焼却炉代替の熱処理技術として再び注目を集めている。
     国内ガス化・溶融技術に関しては,ガス化技術の特徴を活かした高温高圧ボイラの開発および低空気比燃焼等による高効率発電の実現を志向している。欧州でのガス化技術の開発は,流動床ガス化およびプラズマガス化が主流であり,各社が積極的に開発に取り組んでいる。プラズマガス化では,ガス化炉からの生成ガスをプラズマの高温にて改質し,ガスエンジンによる高効率発電を志向している。また,流動床ガス化技術では,セラミックフィルターとの組み合わせにより高温高圧ボイラを採用している。
     各社ともさまざまなアプローチから高効率発電という技術課題に取り組んでおり,今後,さらなる技術革新が期待されるところである。
  • 荒井 喜久雄
    2015 年 26 巻 2 号 p. 136-143
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    市町村等が整備・運営するごみ焼却施設は,ごみ焼却が始まった当初は,ただごみを衛生的に処理するための施設であった。最近は地球温暖化防止の観点,あるいは東日本大震災の被害の教訓等から,高効率発電によるエネルギー回収施設や地域の防災拠点とすることも多い。
     そこで本稿では市町村のごみ焼却施設の整備・運営の新しい動向について紹介する。
  • 千歳 昭博
    2015 年 26 巻 2 号 p. 144-151
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2021/06/14
    ジャーナル フリー
    ごみ発電の有効利用について,電力自由化以前と電力自由化以後では考え方や方法論が異なる。本稿では,電力自由化のポイントとは何かを概説する。これまでごみ発電活用というと,それを高く売ること,公共施設にあっては入札で安価に購入することに主眼が置かれていた。自由化以降は,新電力に関与することで,ごみ発電の購入価格,公共施設への電力供給価格の決定権を掌握することになり,一般電気事業者の「発電」+「送配電 (新電力託送)」+「小売」の収益構造において,特に送配電を新しく事業に加えることができる。収益性が一段と向上するとともに,電気料金に関わる資金が外部に流出せず域内で循環することになり,地域の活性化にも貢献できる。そこでどうして市町村が新電力事業に取り組まねばならないか,なぜ公共施設へ電力供給を行わねばならないのかについて述べる。
     事業を行うにはリスクを伴うが,リスクとなる因子を探索し,極小化する仕組みも検討した。
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