本稿では,ガス化技術による高効率発電に関する国内外,特に欧州における各社の取り組みについて概説した。欧州では,近年ガス化技術は,廃棄物およびバイオマスからの燃料製造技術として,また,焼却炉代替の熱処理技術として再び注目を集めている。
国内ガス化・溶融技術に関しては,ガス化技術の特徴を活かした高温高圧ボイラの開発および低空気比燃焼等による高効率発電の実現を志向している。欧州でのガス化技術の開発は,流動床ガス化およびプラズマガス化が主流であり,各社が積極的に開発に取り組んでいる。プラズマガス化では,ガス化炉からの生成ガスをプラズマの高温にて改質し,ガスエンジンによる高効率発電を志向している。また,流動床ガス化技術では,セラミックフィルターとの組み合わせにより高温高圧ボイラを採用している。
各社ともさまざまなアプローチから高効率発電という技術課題に取り組んでおり,今後,さらなる技術革新が期待されるところである。
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