廃棄物資源循環学会誌
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特集:新しい資源循環型社会の動向 (日欧比較を中心に)
循環型社会構築に向けての新展開
――EU と日本の比較の観点から――
細田 衛士
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2015 年 26 巻 4 号 p. 253-260

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抄録

日本の廃棄物・リサイクル政策は,一定の成果を上げた。リサイクルを進展させるとともに最終処分量の著しい削減をもたらした。だが,リデュース・リユースはまだあまり進んでおらず,また潜在資源性・汚染性の高い使用済み製品・部品・素材等が海外流出するという問題もある。より高度な資源の循環利用を図るために,これまでとは異なった施策が必要である。EU では,「資源効率性」や「廃棄物の終了」という政策概念を打ちだし,より高度化した循環経済の実現を目指している。こうした政策概念に学び,日本に応用することによって日本独自の高度化した循環型社会を構築することができる。そのためには,政策概念を明確に規定し,分析的に評価することが求められる。そうした政策概念を基礎として,制度的インフラストラクチャーを発展・進化させること必要である。

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© 2015 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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