廃棄物資源循環学会誌
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特集:熱処理残渣の資源化と課題
中国におけるごみ焼却飛灰管理の現状と課題
藤吉 秀昭高岡 昌輝
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2018 年 29 巻 5 号 p. 349-356

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抄録
近年,中国では生活ごみの焼却施設の建設が進み,焼却量が急増している。2016 年の焼却量は 7,378 万 ton であり,わが国の 2 倍以上の生活ごみを焼却している。焼却に伴い発生する焼却残渣について,焼却灰は有価で建設資材利用が行われている一方で,飛灰の処理処分が問題となっている。飛灰の発生量は現在 400 万 ton を超えていると推定されている。飛灰中の重金属濃度のレベルはほぼ日本と同等であり,現時点では不溶化・固化後に衛生埋立処分場に処分するのが主流であるが,セメント原料化,高温溶融,焼結処理が始まりつつある。建設資材利用における基準についてはセメント製品の基準はあるが,他のリサイクル物の基準はなく,基準の整備および持続可能な管理体制の強化,情報の共有化が求められている。
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© 2018 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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