廃棄物資源循環学会誌
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特集:残留性有機汚染物質 (POPs) 対策の方向性
POPs 廃棄物の適正処理
―― 技術と展望 ――
高岡 昌輝 藤森 崇
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2018 年 29 巻 6 号 p. 461-469

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抄録

残留性有機汚染物質 (POPs) の廃棄物は有害性が高く,適正な処理が必要である。POPs 廃棄物を適正処理するためには,排出実態の把握,排出された廃棄物の収集・保管・運搬,そして処理技術が必要となる。本稿では熱処理および化学処理に関して,これまで既存の POPs に対して実施されてきた技術を概説する。また,短鎖塩素化パラフィン類 (SCCPs) およびデカブロモジフェニルエーテル (DeBDE) といった,今後生じる新規 POPs 廃棄物への適用可能性や課題についてまとめた。熱処理に関しては,POPs 廃棄物を処理した際の非意図的生成物への配慮が求められ,化学処理についてはすでに確立されている技術の適用性の検討が残されている。いずれの技術にしても,適正処理における POPs 廃棄物の取り扱いと管理について一定水準以上が求められることから,制度として確立することが望まれる。

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© 2018 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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