廃棄物資源循環学会誌
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特集:東京オリンピック・パラリンピック競技大会の持続可能性対策と資源管理
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の持続可能性と資源管理
荒田 有紀
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2020 年 31 巻 3 号 p. 169-176

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抄録
東京 2020 大会は,持続可能な開発目標をはじめとする世界共通の課題解決に貢献する。5 つの持続可能性の主要テーマを設定し,「持続可能性に配慮した運営計画」 に基づく取り組みを進めている。資源管理分野においては,Zero Wasting を大目標に掲げ,資源を一切ムダにしない社会づくりに貢献する。紙製容器の使用等により世界的な課題である使い捨てプラスチックの使用削減を図る。調達物品の 99 % の再使用・再生利用に向け,レンタル・リースの活用,財産管理・処分手続の整備,後利用先の確保等を進めている。運営時廃棄物の 65 % の再使用・再生利用に向け,紙ごみや,従来は取り組みが進んでいない事業系の混合廃プラスチックのマテリアルリサイクル等を進める。メダルや表彰台等の物品に市民参加により集められた再生材を活用し,持続可能性への理解と行動を促進している。これらが「持続可能な社会のショーケース」となり,国際社会の歩みの規範となるよう今後も取り組みを進めていく。
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© 2020 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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