廃棄物資源循環学会誌
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特集:地球規模での水銀循環とその管理を目指して
排出ガス中の水銀測定技術
野田 直希
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2021 年 32 巻 5 号 p. 347-353

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抄録
大気汚染防止法の改正に伴い水銀排出施設では,定期的な排出ガス中水銀の測定が義務づけられ,環境省告示に排出ガス中水銀の測定法が規定されている。この方法は,排出ガス中の粒子状水銀をろ紙で,ガス状水銀を吸収液で捕集する方法であり,それぞれの試料採取装置を用いて測定する。この方法以外にも,国内外には,吸収剤を用いる方法や連続測定法等のさまざまな排出ガス中水銀の測定方法が規定されている。現在,環境省告示の測定法は,国外の測定法を参考に粒子状水銀とガス状水銀を 1 つのノズルを用いて同時に採取する方法の追加が検討されており,JIS K 0222 も環境省告示の測定法と整合を図るための改正作業が進められている。本稿では,国内外で規定される排出ガス中水銀の測定法の概要と特徴,ならびに見直しが進められている JIS K 0222 の測定法の改正内容を概説する。
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© 2021 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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