2015 年 25 巻 4 号 p. 170-176
従来の創薬は、ハイスループットが可能なiPS細胞など、ヒト細胞やロースループットながらin vivoメカニズム解析に活用してきた哺乳類が二大モデル生物であった。最近、ゼブラフィッシュがin vivoハイスループットスクリーニングが可能な数少ない第三のモデル生物として、まったく新しい創薬パラダイムを実現し、画期的医薬品やドラッグ・リポジショニングにおいて明確な開発成果を出している。ゼブラフィッシュ創薬は、単なる安価なマウスや追加的薬理試験ではなく、フォワード薬理学とリバース薬理学を統合したものであり、強力なPK/PDモデルとして、真に21世紀的システムズ薬理学戦略である。さらに、ヒトがん細胞のゼブラフィッシュ移植ツールは、次世代フェノミクス個別化医療システムになることが期待されている。