2019 年 29 巻 4 号 p. 161-164
2018年10月、天然物を活用したアジアでの創薬連携を目指し、日本、タイ、台湾が参加したアジア製薬団体連携会議天然物創薬コンソーシアムが発足した。参加した3ヵ国は、生物多様性条約や名古屋議定書を遵守した天然物の創薬活用をアジアで推進する。天然物創薬コンソーシアムの特徴は、持続的なアジア発創薬を見据えた若手研究者の育成と、その実現をサポートしうる協力機関の存在である。日本の製薬企業では、エーザイと武田薬品工業が参加し、それぞれが取り組みを開始している。本稿では、コンソーシアムの設立の背景とその特徴、および天然物創薬への期待について紹介する。