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特集:創薬を加速する天然物合成研究の最先端
天然物合成がもたらす新たな骨格構築と創薬
横島 聡
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2019 年 29 巻 4 号 p. 178-182

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抄録

複数の環が組み合わさることで固定化され三次元的に広がった骨格に、ヘテロ原子や置換基が配置されている:医薬品として用いられている天然物の構造を表現するとこのようになると思われる。その合成は、複数の変換を経る多段階合成が必要となり、有機反応として整理された情報を駆使するだけでは解決することが困難である。また環構造の中に官能基が密集することで、予定外の反応が引き起こされる可能性も高くなる。これらの問題点を理解・制御することが天然物の合成研究に求められる課題である。本稿では、筆者らが進めてきた天然物の合成研究を題材に、これらの問題について議論したい。

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© 2019 公益社団法人 日本薬学会
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