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2022年度 日本薬学会 医薬化学部会 MCS優秀賞 受賞
標的リガンドにオリゴヌクレオチドを応用したPROTACの創製
永沼 美弥子大岡 伸通出水 庸介
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ジャーナル 認証あり

2023 年 33 巻 2 号 p. 70-74

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抄録

ユビキチンプロテアソームシステムを利用したタンパク質分解誘導剤(PROTAC)は、がんをはじめとする既存の医薬品では治療が困難な疾病に対する革新的な創薬戦略の一つとして期待されている。現在までに、低分子化合物を標的リガンドに利用したPROTACを中心に研究開発が進められているが、最適なリガンドが存在しない転写因子等のタンパク質への適用は困難である。そこで本研究では、転写因子を標的とすることが可能な汎用性の高い新規PROTACを開発することを目指した。具体的には、転写因子のDNA結合領域に結合可能なデコイ核酸をリガンドとして利用した核酸型PROTACを開発した。本稿では、このようなコンセプトを検証するための研究として、エストロゲン受容体αを転写因子のモデルとしたデコイ核酸型PROTACの設計・合成および、各種評価した結果の詳細について紹介する。

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