医学教育
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教育実践研究
臨床研修医の態度評価
―指導医評価と看護師評価における乖離―
渡辺 直
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2013 年 44 巻 1 号 p. 21-28

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抄録

背景 : 臨床研修医の多面的態度評価の実態と意義についての検討は未だ少ない.
方法 : 2003〜2010年入職の臨床研修医98名の評価を採用時と研修終了時で比較した.
結果 : 採用時(面接+学科試験)で高評価を得た者が終了時にも良好な指導医評価を得る有意の傾向が認められた(相関係数0.4,p<0.005)一方で採用時と終了時看護師評価との間には相関がなかった.
考察 : 医師から見ると,採用時に素材があってこれが順調に伸びたと判断される一方で,医師が優れていると思っている研修医が必ずしも看護師側から評価されていなかった.医療プロフェッショナリズムの観点からは,より多面的な評価の重視,採用時評価基準作定を行ってゆくことが重要と思われた.

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© 2013 日本医学教育学会
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