医学教育
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招待論文
8年制医師養成教育―GHQサムス准将の提案
二至村 菁
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2013 年 44 巻 6 号 p. 421-428

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抄録

  《学士課程修了者のみを医学部に入学させる》という8年制医師養成教育計画は,1945年末に連合軍総司令部(GHQ)内の日本医科学審査委員会によって提案され,1946年からGHQ公衆衛生福祉局のクロフォード・F・サムス局長によって推進された.この計画は厚生省の医学教育審議会の賛成を得たが,文部省の教育刷新委員会の安倍能成座長が敗戦国日本の困窮を理由に強硬に反対し,GHQ民間教育情報局も協力せず,廃案となった.
  日野原重明氏は学士課程修了者を対象とする大学院医学校を計画しておられるが,もし実現すれば戦後先進国となった日本が初めて18歳ではなく22歳の成熟した学生を医師として養成するという興味深い試みとなろう.

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© 2013 日本医学教育学会
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