1999年にHardenがBest Evidence Medical Education (BEME) を提唱して以後, 主に英語圏から発信される医学教育研究の結果を科学的根拠として医学教育の諸問題について議論する潮流は強まってきている. 一方で, 文化や制度を考慮せずに医学教育, 特にプロフェッショナリズムのようなテーマについて論じると, しばしばその本質を見失う. 本稿では, 日本人医師のプロフェッショナリズムについて, 武士道をそのモデルとした論を紹介する. 本論が我が国における医師のプロフェッショナリズム教育の議論の土台となることを期待する.