2016 年 47 巻 1 号 p. 23-28
医師不足の原因の一つに女性医師の増加と支援体制の未整備が挙げられる. 医師の結婚・家庭観やその診療科選択への影響は明らかにされているが, 男女医学生のそれは明らかでない. 岐阜大学医学部医学科2・5年生を対象とした無記名質問紙調査を行った. 多くの男女学生が, 結婚し, 子供を授かり, 結婚後も仕事を継続することを希望した一方, 相手の職種や就労, そして結婚・家庭観の診療科選択に対する影響については男女で異なる認識だった. これらは性役割分担意識が学生にも浸透していることを示していた. より良い相互理解のため, 早期からの新たな卒前教育の必要性が示唆された.