2021 年 52 巻 2 号 p. 115-120
医療安全やチーム医療に配慮し多様な状況に対応できる医師養成の学修方略として質の高いシミュレーション教育が求められている. 一方, 1学年100名を超える医学部授業でのハンズオン・トレーニングには多くの困難を伴う. 開学から3年間に臨床実習前教育として開拓したシミュレーション授業を紹介する. 学年全体が同時に学修できる大規模で多機能なシミュレーション施設を設計し, スライド等の視覚に頼った授業から五感を通して感じとる能動的授業への転換をめざした. 効果的学修と動機付けのための基礎臨床統合シミュレーション授業, 小グループのシミュレーション実技を学年全体が大講義室で共有するオンライン技術の導入にも取り組んだ.