2021 年 52 巻 6 号 p. 503-508
2014年から正式運用されている医学教育専門家制度は, 今日までに181名の専門家を輩出している. 医学教育のグローバル化に対応し, 国際基準に沿った教育改善に取り組むことができる実践的専門家を育成する体制が確立したように思われた. しかし, 新型コロナウイルス感染症の流行によって対面型の履修コースを開催できなくなり, 対面協働学習を活用していた従来の育成体制は見直しを迫られた. 2021年2月, フルオンライン型で履修コースを再開した. オンライン学習に集中できる時間を考慮して事前学習コンテンツを充実させ, 学習プラットフォームとしてMoodleを使用し, 当日のレクチャーやグループワークをZoomで行った. 大きな回線トラブルはなく, コース後のアンケートの結果, 受講者の満足度, 学習の有用度は高かった. 本コースが新たな教育体系のgood practiceとなるよう, 対面型とオンライン型の強みを取り入れて発展させていきたい.