2023 年 54 巻 2 号 p. 149-156
医師の情報・科学技術を活用する能力を開発する重要性を背景に, 医学教育モデル・コア・カリキュラム (令和4年度改訂版) においては, 資質・能力「情報・科学技術を活かす能力」が新設された. これは「発展し続ける情報化社会を理解し, 人工知能等の情報・科学技術を活用しながら, 医学研究・医療を実践する」と概説され, 「情報・科学技術に向き合うための倫理観とルール」, 「医療とそれを取り巻く社会に必要な情報・科学技術の原理」, 「診療現場における情報・科学技術の活用」の 3つの観点に整理して学修目標が設定された. この今後ますます重要な目標になるこの資質・能力の策定のプロセスを振り返りつつ, 今後の展望を占った.