2023 年 54 巻 6 号 p. 555-563
国内では, 大学設置基準が2022年9月に改正された. COVID-19パンデミックを乗り越えてきた大学の経験を活かし, 現行のルールでは認められていない教育方法, 単位認定を「特例制度」として実施できる道が開かれている. 「特例制度」という社会実験の成果を今後の大学設置基準の改定に活かしていく必要がある. 海外では, このパンデミックを通じ, 医学生は守られるべき学習者かそれともエッセンシャルワーカーかという議論や, 今回のパンデミックのように医学教育の順次性が中断された時, 進級, 卒業, 臨床研修への移行にあたり, 教育時間ではなく学習者がどのような能力を獲得しているかに重点を置いたCompetency-based, Time-variable (CBTV) Educationなどの議論が行われている.