医学教育
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医学教育改革の背景
佐々木 勸
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1996 年 27 巻 4 号 p. 259-262

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抄録

医学の情報量は増加し続け, 1970年代には, 無味乾燥な従来の教育法によっては修得できない尨大な量となった. このため学生の学習意欲が低下したので, 欧米の医科大学は, 意欲を起こす「新カリキュラム」を開発した。意欲が起これば, 脳の実際的容量が増し, 情報量の増加に対処できるからである. ただし, 意欲は理性の説得を受けつけないから, これを起こすには工夫が要る. 興味をひくことによって意欲を起こそうとする「新カリキュラム」はその1例である. 現在, 世界の医科大学は, 意欲を起こす新しい教育法を求めて暗中模索している. この努力の差が, 将来, 卒業生の質の差となり, 大学間に大きな較差をもたらす可能性がある.

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