医学教育
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27 巻, 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • An Informal View
    R D H Boyd
    1996 年 27 巻 4 号 p. 203-206
    発行日: 1996/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • I B Houston
    1996 年 27 巻 4 号 p. 207-210
    発行日: 1996/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 塩飽 邦憲, 山根 洋右, 下山 誠
    1996 年 27 巻 4 号 p. 211-218
    発行日: 1996/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    医学教育の目標は, 社会的ニーズに対応して知識習得から自己学習能力の育成へと変化している. 1995年度より島根医大では, 早期医学体験学習として1年前期に医療施設と福祉施設における学習プログラムを開始した. このプログラムの特徴は,(1) 自己学習能力の育成,(2) 知識, 技術, 態度, 倫理の各面にバランスの取れた統合的教育,(3) コミュニケーション技法の修得,(4) 医系教官によるテュートリアル・システムにある. 早期医学体験学習について, 92%の学生が,「大変良い」または「良い」と高く評価をした. 教育目標のうち, 学生自己評価では「コミュニケーション」がもっとも高い到達度を示し, ついで,「態度や感性」「ケアの倫理性」「ニーズと期待」の順に続き,「医師とコワーカーとの連携」「医療・福祉の仕組み」については, 自己評価がやや低かった. 学生個人レポートから, 各教育目標の到達度は高く, 教育目標はほぼ達成したことが明らかになった. また, 受け入れ施設の評価も高かった. しかし, 目標到達度の低い学生も少数存在し, この学生へのテュートリアル・システムの強化が課題と考えられた.
  • 華表 宏有, 松田 晋哉, 曽根 智史
    1996 年 27 巻 4 号 p. 219-224
    発行日: 1996/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    さきに筆者らは担当する公衆衛生学授業の履修評価の方法として, 従来から用いられている知識・技能 (K・S) 尺度とともに学習態度を評価するための態度 (AT) 尺度を併用して, 2次元の平面上の分布状況から判断することとした. 本稿では前回 (1986~88年度) に引き続いて過去5年間 (1989~93年度) の経験を報告した. 当該年度の受講学生は延490人で, うち3人を不合格と判定した. 毎年実施している学生による授業評価 (無記名方式) の中でこの方法の良否について質問したところ, 合計で半数の者が「概ね良い」と回答しており,「良くない」は15%であった. これらの結果からこの新しい履修評価方法の有効性を考察した.
  • 江口 光興, 古川 利温, 田中 吾朗
    1996 年 27 巻 4 号 p. 225-229
    発行日: 1996/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    問題解決型学習への取り組みをみるために, 学生の臨床実習の自己評価を分析, 臨床実習前後の教員による評価との比較を行った.(1) 積極性,(2) 根拠などに対する思考意欲,(3) マナーなど学生の意欲・態度をみる情緒的判断が中心となる分野では学生の自己評価点は高く,(4) 診察能力,(5) 病歴, 所見分析力,(6) 心電図, X線フィルムの判読力,(7) 調査力,(8) 医学的知識などの医学面での学力にかかわる分野ではスコアは低かった.
    学生の自己評価のうち (5) ~ (8) の学力に関する自己評価は, 4年期末テストの成績や臨床実習最終日のグループ討論の成績とは全く相関しなかった. しかし, 4年期末テストの成績と臨床実習最終日のグループ討論の成績は強い相関を示した.
  • 瀧 健治, 平原 健司, 富田 伸司, 山田 隆啓, 十時 忠秀
    1996 年 27 巻 4 号 p. 231-234
    発行日: 1996/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    3次救急患者が3次救急施設を受診すると, 常に的確な医療を受けられるが, 一般の救急外来では1次救急患者から3次救急患者までが混雑しており, 救急患者のトリアージ (振り分け) は時として患者の生死を決める結果となる. そこで, 適切なトリアージのできる救急医の教育が望まれる. 今回, われわれの救急部に1次の軽症救急患者と判断して来院した患者が2~3次救急患者であった割合を調査した. 自主来院した救急患者に2次・3次救急患者が数%含まれており, このことは救急医療において1~3次救急までの広い救急医学教育の必要性と, 1~3次救急患者を受け入れる救急施設で理想的な救急医学教育が行え得ると示唆していた.
  • 「標準正答率」を用いて
    三谷 一裕
    1996 年 27 巻 4 号 p. 235-240
    発行日: 1996/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    X2 typeは, 標準正答率56.6%, 偶然的中率10%の客観試験形式である. したがって, 今までと同レベルで出題すれば正答率は低くなりすぎ, 国試の合格率は急落する. X2 typeで出題しても正答率を過去の国試と同程度にするためには, 過去の国試で出題されていれば易しいアイテムといわれたと思われる○ ×両者を含む2, 3のアイテムに, それよりも易しいアイテムを2, 3加えて出題する必要がある。X2 typeは, もっとも難しい○ アイテムともっとも難しい×アイテムの2つのうち, より易しい方のアイテムの難易度によって正答率がほぼ決まる形式だからである.
  • 今道 英秋, 原 健二, 佐々木 將人, 飯島 克巳, 楡木 満生, 五十嵐 正紘
    1996 年 27 巻 4 号 p. 247-252
    発行日: 1996/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本学では, 地域医療に従事する医師を養成するため, 独自性のあるカリキュラムを施行している. 当教室では後期課程の実習の1つとしてロール・プレイを利用した実習を行っている. 医師役・患者役はもちろん, ロール・プレイの評価も学生が行っており, 教員は実習内容の補足をするにとどめている. 学生自ら総合医療・診療のプロセス・医療コミュニケーションを学べるほか, 患者の気持ちを体験できる. 今後は特別に訓練された模擬患者の導入や, さらなる学習資源の開発に取り組みたいと考えている.
  • その10年の成果
    鈴木 荘一, 松村 幸司, 永井 友二郎, 藍澤 茂雄, 青木 照明, 橋本 信也
    1996 年 27 巻 4 号 p. 253-257
    発行日: 1996/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    昭和61年3月, 阿部正和東京慈恵会医科大学学長 (当時) と実地医家のための会・永井友二郎 (会創設者) とが相談し, 同大4年または5年生に, エレクティブに春と夏の年2回家庭医実習の教育プログラムをスタートさせた. 学生に実地医家の医療を訪問見学させ, 将来の進路選択の中に, 家庭医機能の重要性を学ぶ機会を与えることが目的であった. 第1~20回までの実習学生は延121人 (1回平均6人) で, 最高11人, 最低3人であった。また, 本事業に参加した指導医は計37人で, 1人あたりの参加回数は1~18回 (平均3.3回) であった. 本実習は指導医にとっても, 教えることは学ぶことであり, 学生とともに有用性が高かった.
  • 佐々木 勸
    1996 年 27 巻 4 号 p. 259-262
    発行日: 1996/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    医学の情報量は増加し続け, 1970年代には, 無味乾燥な従来の教育法によっては修得できない尨大な量となった. このため学生の学習意欲が低下したので, 欧米の医科大学は, 意欲を起こす「新カリキュラム」を開発した。意欲が起これば, 脳の実際的容量が増し, 情報量の増加に対処できるからである. ただし, 意欲は理性の説得を受けつけないから, これを起こすには工夫が要る. 興味をひくことによって意欲を起こそうとする「新カリキュラム」はその1例である. 現在, 世界の医科大学は, 意欲を起こす新しい教育法を求めて暗中模索している. この努力の差が, 将来, 卒業生の質の差となり, 大学間に大きな較差をもたらす可能性がある.
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