医学教育
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看護教育における神経内科学のあり方を考える
渡辺 弘美竹宮 敏子吉岡 守正登坂 美佐子
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1996 年 27 巻 6 号 p. 409-415

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抄録

看護教育の高学歴化, スペシャリスト養成に対応していくためには, 教育サイドとして内容の充実と知識の統合化を計っていくことが重要であると考える. 今回われわれは, 過去から現在にわたる看護教育における神経内科学のあり方を縦軸に, 看護学生と実践ナースの神経内科学に対する認識を横軸に考え, 多面的角度より検討を行った.
方法: 1) 東京女子医大看護短大神経内科授業における過去20年間の内容の分析, 11年間の試験結果の検討. 2) 看護婦国家試験過去15年間の, 成人看護学に占める脳神経系設問の頻度と内容の検討. 3) 同短大2学年生へのアンケートを通じて, 神経内科授業内容に対する認識とその変容を検討. 4) 神経内科疾患を主に扱う実践ナースへのアンケートを通じて, 神経内科卒前教育の充実のための参考意見とした.
結論:“神経解剖” や “病態生理” の分野を実践ナースは「大切な, 学生時代にマスターすべき分野」として捉えているが, 学生にとっては「大切と思うが, 難しく興味が薄い分野」との認識であった.
今後拡大する高齢化社会では, 看護領域においてもより高度で充実した内容の神経内科学教育が要求される. 今後の看護教育における, ひいては医学系が関与する分野の効果的な教育の必要性を強調したい.

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