医学教育
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卒前教育におけるシンポジウム形式による学習法の導入
学生の医学研究への興味と動機づけの試み
根本 則道桜井 勇熊坂 一成堀江 孝至竹洞 勝
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1998 年 29 巻 2 号 p. 101-105

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抄録

本学では平成8年度から, 学部学生を対象とした「医学研究最前線シンポジウム」(以下シンポ) を6年次の授業の一環として取りあげた.その目的は, 医学研究は良質な教育ならびに医療を支える上で必須であること, また, 既成の教育カリキュラムでは体験できない研究の面白さを感受してもらうことである.さらに, 学生が将来研究者を指向する可能性も考慮し, 研究に対する好奇心の萌芽を刺激する意図も含んでいる.このような学習法に対する評価には時間を要するが, 参加者のポストアンケートからは, 医学生の潜在的な知的好奇心を刺激し, 医学・医療における将来の選択の幅を広げる上で有効であると考えられた.今日, 医学教育の内容は多様化してきており, また, 医学・医療に対する社会的要請も従来とは様相を異にしてきている.このような要請に応えるためにも, 知識伝達型にとらわれない教育カリキュラムの構築が必要と考えられる.

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