2001 年 32 巻 2 号 p. 77-81
臨床実習におけるクリニカル・クラークシップの有用性が注目され, 文部省も積極的に推進している. 本論文は名古屋大学医学部で開かれた, 米国と日本の学生の臨床実習についてのシンポジウムをもとに, クラークシップの本来の姿を示すために, 米国の医学教育および臨床実習の概要, 米国の学生として経験したクラークシップ, 日米両国の学生の観察に基づいた評価, 米国のクラークシップの問題点などについて述べるとともに, 米国のクラークシップに参加した日本の医学部6年生の感想についても紹介した.クラークシップの本格的導入までにはいろいろな隆路が予想されるが, クリニカル・クラークシップの導入は日本の医学教育の質を大いに向上させると思われる.