医学教育
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家庭医療レジデンシー・トレーニング・プログラム
葛西 龍樹
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2005 年 36 巻 5 号 p. 291-296

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抄録

1) 北海道家庭医療学センターの後期研修は, 家庭医療の指導医のもとに, 家庭医療の専門的アプローチを毎日実践しながらその地域で生活する, いわば「家庭医として生きる」ことを中心に据えた研修である.
2) 複数の施設で研修を行うことで, 文化・社会的背景, ケア資源, 住民の健康問題, 年齢構成比の異なる地域での家庭医療を経験し, 診療・教育スタイルが異なる多くの家庭医のロールモデルに出会うことができる.
3) 家庭医をめざす日本の医学生や研修医が「具体的に学ぶことが可能な専門分野」として家庭医療を理解するためには, 「家庭医療」の定義とそれに基づいて作成されたカリキュラムが必須である.
4)「家庭医療の専門性についての新しい考え方」に基づく「コア・コンポーネント」カリキュラムと臨床全科にわたる「コモン・プロブレム・コンポーネント」カリキュラムによって評価も可能である.
5) 後期研修プログラムとともに, 研修プログラムの評価・認定システム, 研修修了者の評価・専門医認定試験制度, 家庭医療専門医の継続的発展を支援する生涯教育プログラムが必要である.

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