臨床実習において電子カルテシステムにアクセスして患者情報を利用することはよりよい医師を育成するために必要である.しかしながら運用に関する明確な基準はない.このため, 病院として利用規定とシステム利用に関する誓約書を作成し, 運用した.システムのセキュリティを確保するために個人認証は指紋認証マウスで行った.学生の個人情報の参照には, 参照専用の「Webカルテ」を利用することにした.一方, カルテ記載の実習では, 「医師記録シート」に記載させずに, 「学生用シート」を構築し, 記載させた.これらの方法は教育システムが導入されていない現状では, セキュリティを確保しつつ教育効果を上げるためにはふさわしい方法と推論した.