抄録
地球環境変化の人間次元の研究は、人間社会の将来にとって非常に重要なものになった。将来のことを考えない短期的な環境政策が人間ばかりでなく自然そのものにも危害を与えるようになった。人々の生活スタイルを一層環境支持的にするためには、人々の環境意識や態度を理解する必要がある。Schmidt andGifford(1989)の開発した環境評価尺度(EAI)の日本語訳に、最近の地球環境変化のハザード(危険)である「廃棄物の増加」「地球温暖化」「熱帯雨林の減少」「生物種の多様性の減少」を加えた。オリジナルの3つの尺度である「自己への脅威」「環境への脅威」「個人的制御」に、7つの尺度を追加した。日本人大学生の結果は、尺度の内的整合性の高いことと、構成的妥当性の高いことを立証した。因子分析から、「環境」「技術」「脅威」「知識」の4囚子が得られ、オリジナルの3尺度は最初の3因子にそれぞれ高い負荷量を示した。この尺度の応用や今後の課題が議論された。