抄録
教師の数学に対する態度測定尺度と児童の数学に対する態度測定尺度を開発するために,小学校の教師137名と児童332名を対象として, 2つの調査を実施した。2つの調査に関する探索的因子分析の結果から,抽出された因子において,信頼性を表すCronbachのα係数の値は,信頼性が高いことを示した。また,検証的因子分析により,抽出された因子に属する項目の妥当性に関して, GFI (Goodness of Fit Index: 適合度指標), AGFI (Adjusted Goodness of Fit Index: 修正適合度指標), RMSEA (Root Mean Square Error of Approximation: 残差平方平均平方根)の値は,妥当性が高いことを示した。それ故,調査結果の分析と考察から,教帥の数学に対する態度測定尺度と児童の数学に対する態度測定尺度を開発することができた。さらに,教師の数学に対する態度と児童の数学に対する態度に属する項目の内,共通する項目の比較により,教師の数学に対する態度と児童の数学に対する態度の関係が明らかになった。