数学教育学会誌
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小学4,5,6年生の問題に与えられた数値の量としての理解状況
河崎 雅人福間 友哉
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キーワード: 算数教育, 単位, 内包量
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2018 年 59 巻 3-4 号 p. 17-25

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抄録
内包量に関わる指導では,数値の量としての意味を正しく理解させることが重要であり, 与えられた数値の量としての意味を理解するためには,その単位について理解することが必 要である.しかし,算数科においては,長さや重さなどの外延量の単位に関する学習はある が,内包量の単位や単位に対して演算を行うことができるという指導はなく,式に単位を記 述することもない.そこで,内包量に関わる指導方法についての示唆を得るために,小学4, 5,6年生を対象に,問題に与えられた数値の量としての意味の理解状況を調査することに した.3種類の内包量(問題A:1箱当たりの個数,問題B:ペットボトル1本当たりのジ ュースの量,問題C:1時間当たりに進む距離)に関する第二用法を題材とした問題を調査 問題として,公立小学校2校の第4,5,6学年児童383 名(4学年:131 名.5学年:122 名.6学年:130 名)を対象に,平成29 年1月に実施した.その結果,式と答えの正答率は 高いものの,問題に与えられた数値の量としての意味を把握しないまま立式・解答している 児童の存在が明らかになるなど,内包量の指導に関する示唆が得られた.
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© 2018 (一社)数学教育学会
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