抄録
KJ法は1960年代に誕生した古典的な研究方法であるが,近年は英語教育学研究の中で質的研究法としてのKJ法が再び注目を浴びている。そこで本論ではKJ法でデータ分析を行う際の留意点,特に避けなければならない「4つのNOT」を提示する。この点を誤用すると,KJ法とは似て非なるものになってしまうので,KJ法を行う上では注意が必要である。またKJ法は発想法として誕生した経緯もあり,質的研究の方法として使用された場合の評価基準が提示されていない。そこで本論では構造構成主義という新たな科学論でKJ法の基礎付けを行った上で,KJ法の評価基準の提示も行う。