抄録
関西学院大学では,スーパーグローバル大学創成支援事業の採択を受け,全学規模の英語教育に関する多くの施策が計画されている。2017年度からは,全学規模の統一プレイスメントテスト,習熟度別クラス編成,および到達度テストが導入される。こうした変化は,英語教育の成果を学部横断的に検証可能にするのみならず,縦断的に英語力の推移を観察可能にする。しかし,こうした変化にはデメリットもある。大きな問題は学部独自の教育内容と各種統一テストの測定内容との齟齬である。各学部は専門性を活かした英語教育を行っている。著者らの所属する理工学部もその1つである。この問題を解決するために,理工学部では,到達度テストとしての利用が予定されているTOEIC® IPテストを念頭に,約2,000問のアイテムバンクを開発した。本稿では,開発したアイテムバンクの一部を古典的テスト理論と項目反応理論で分析し,アイテムバンクを授業で活用するために開発したAutomated Test Makerについて述べる。