抄録
オノマトペや音象徴に代表される研究が示すように,言語音には何らかのイメージが存在すると考えられる。このイメージを英語発音指導へ結びつけるため,中西・中川(2012)では,英語分節音を10のイメージグループに分けて説明する方法を試みた。本研究では,これら各グループに属する分節音が多く含まれるジャズ・スタンダード楽曲について2種類の調査を行い,この方法の妥当性を検証した。音楽関係者が楽曲自体に対して持つイメージと,学習者が楽曲を聴いたときに持つイメージについての2種類の調査の結果,さらなる精査が必要ではあるものの大枠において,上記の分節音グループごとに特定のイメージが存在することが明らかとなった。英語の発音を指導する際に,それぞれの音がどのようにして調音されるかといった音声学的な説明と同時に,どのようなイメージで発音するかといった認知的な説明を加えることで,英語の音に対する学習者の理解を促すことができると考えられるため,本研究結果は,従来の指導法とは視点を変えた英語発音指導の足掛かりとなるだろう。