メソドロジー研究部会報告論集
Online ISSN : 2759-5684
外国語教育研究と信号検出理論
草薙 邦広後藤 亜希
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2016 年 8 巻 p. 20-36

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抄録
本稿の目的は,信号検出理論 (signal detection theory,SDT) の数理的基盤について紹介し,外国語教育研究における信号検出理論の応用可能性を議論することである。外国語教育研究やその関連諸分野では,語彙性判断課題や文法性判断課題といった各種の判断課題の成績をデータとして取りあつかう場合が多いが,古典的テスト理論の要領で,正答率のみをその主たる分析対象としている。しかし,正答率のみを対象とする分析は,刺激の観察者が一定の水準に対して反応バイアスをもつ場合に,結果の解釈が不適切になる可能性がある。一方,信号検出理論は,正答率のみならず,d’やA’といった弁別力指標 (sensitivity index),c,c’や β といった反応バイアス,または ROC などといった多様な分析観点をもたらす。よって,信号検出理論を分析に応用することは,外国語教育研究にとって利点となりうる。
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© 2016 外国語教育メディア学会(LET)関西支部メソドロジー研究部会
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