衛生動物
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住家性ねずみ巣内の動物相, 特に成態群の構成と量的観察について
藤戸 貞男武衛 和雄渡辺 定博浜田 通夫
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1959 年 10 巻 3 号 p. 176-178

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抄録
1)大阪府泉大津市において3月及び11月に市街地域と農村地域の住家内から採集した家ねずみの巣7例について, 巣の構造や巣内動物相について調査を行つた.2)農村地域から採集された巣は藁のみよりなる単純な構造であるが, 市街地域のものでは紙片, 布片を主材とした複雑な構造をしていた.3)巣内動物相はInsectaおよびArachnoideaの2綱よりなり, 前者は14種, 後者は10種が見いだされ, 個体数はInsectaが優勢を占めていた.また巣内の成態群を構成する種類は, その大部分を寄主の吸血性動物であるヨーロッパネズミノミとイエダニによつて代表されていた.4)ヨーロッパネズミノミの生存個体数はその全発見個体数からみれば比較的少く, 雌雄比は雄が優勢であつた.本研究に於いて終始御指導並びに御鞭撻を賜わり且つ本文御校閲の労を煩わした恩師田中英雄教授に深甚の謝意を表すると共に, 種々御教示御協力を賜わつた生沢万寿夫助教授に感謝す.又調査に当つて終始協力して頂いた大阪府泉大津市衛生課の諸賢に感謝する.
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© 1959 日本衛生動物学会
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