衛生動物
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Dimethoate のイエバエにたいする毒性と湿度および溶媒の関係
長沢 純夫柴 三千代
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1964 年 15 巻 3 号 p. 182-186

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抄録
2^3のfactorial systemの実験計画にもとづいて, dimethoateのイエバエにたいする毒性と, 湿度および溶媒の関係を究明した.羽化後4〜5日のイエバエの雌を薬剤処理前の24時間を, 関係湿度100%と70%のふたつのことなつた環境条件下においた後, アセトンでとかしたdimethoateおよびゴマ油を2%加用したアセトンを溶媒とするそれを滴下法によつて処理した.処理した個体は, さらに24時間100%および70%の条件下においた後, その生死を判別した.2^3すなわち8つの組合せについてえられた, 濃度-致死率回帰直線のもつy^^-, x^^-にもとづいて, これらの要因の相対力価を算定した結果, 供試個体を多湿状態においた方が, あきらかにdimethoateの有効度はたかまり, ことに処理後多湿状態においた場合, その値は有意であつた.またゴマ油を溶媒に加用した場合, ある程度有効度は高まるが, その値は有意ではなかつた.
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© 1964 日本衛生動物学会
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