衛生動物
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ツメトゲブユ幼虫の殺虫剤抵抗性
朝比奈 正二郎安富 和男井上 義郷緒方 一喜野口 圭子
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1966 年 17 巻 4 号 p. 243-246

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抄録
過去に, DDTとdiazinonの頻繁な散布歴のある長野県茅野市柏原地区と, 殺虫剤の使用歴のない長野県佐久市野沢地区の, ツメトゲブユSimulium ornatum幼虫について, 各種殺虫剤に対する抵抗性を比較検討した.実験方法は, 乳剤の各稀釈液に10分間浸漬, 30秒間流水で水洗, 24時間, エアーポンプで送気した飼育槽に放飼した後, 死亡率を調べる方法をとつた.茅野市柏原のコロニーは, 佐久市野沢のコロニーに比べて, DDTにおいても, diazinonにおいても, また, fenthion (Baytex)においても, 約10倍大きなLC_<50>値を示した.茅野コロニーがDDTとdiazinonに強いのは, 茅野における過去の薬剤散布歴のためだと思われるし, fenthionに強いのは, diazinonによる交差抵抗性ではないかと思われる.また, ツメトゲブユ幼虫に対する殺虫剤の有効度は, fenthion=fenitrothion>diazinon>trichlorfon>DDTの順であつた.
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© 1966 日本衛生動物学会
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